002 半導体
「半導体」とは条件によって「電気」を通したり遮断したりするものです。
「電気」と記述したのには訳がありまして、電流制御するものと電圧制御するものがあるためです。
半導体にはp型とn型があります。
ここではダイオードとトランジスタ(バイポーラトランジスタ)について解説します。
1.ダイオード
「ダイオード」は一方方向にのみ電流を流す半導体です。pn接合ダイオードというようです。 pn接合された半導体はp型→n型に電流が流れ、逆方向(n型→p型)には電流は流れません(遮断されます)。
一般的なダイオードは下図のような図記号になります。
図記号の三角矢印方向(図の左側から右側)へ電流は流れますが逆方向(図の右側から左側)へは流れません。
私が一般的なI/Oに使用していたダイオードは1S1588というものでしたが、 現在の高性能マイコンだと遅いかもしれませんので場合によってはもっと高速なもの(ショットキーバリアダイオードなど)を用いる必要があるかもしれません。
2.トランジスタ
「トランジスタ」には電流制御型と電圧制御型(FET)がありますが、 ここではバイポーラトランジスタと呼ばれる電流制御型トランジスタについて解説します。
バイポーラトランジスタはNPN型とPNP型があり、それぞれ図記号は下図のようになります。
トランジスタの端子は3つあり、それぞれB(ベース)、C(コレクタ)、E(エミッタ)と呼ばれています。
トランジスタを使ったスイッチング回路を設計する場合、ベースに流す電流とコレクタに流す電流をいくつにするかを考えます。 トランジスタにはhFEというパラメータがありまして、直流電流増幅率と呼ばれています。 出力としてコレクタに流したい電流をまず決めます。 次にトランジスタを選定します。 私は2SC1815というNPN型トランジスタをよく使っていたので、ここではとりあえず2SC1815を選定しておきます。 hFEはデータシートより350(min)ということです。 とりあえずスイッチング動作させたいだけなのでコレクタに流す電流は1[mA]と設定します。 この場合ベースに流す必要がある電流は、1[mA] / 350 = 0.0029[mA] 以上となります。 もしLED(1個)を駆動させたい場合には10[mA]以上流す必要がありますので更に10倍、ベース電流を流す必要があります。
ベースに0.0029[mA]以上を流すには、
R = 5[V] / 0.0029[mA] ≒ 1.7[MΩ]
となるのですが、1.7[MΩ]はちょっと大きすぎる感じなので100[KΩ]としました。 100[KΩ]であればLEDを駆動するための電流(10[mA])もコレクタに流すことが可能です。
というわけで、回路図は下図のようになりました。