今更どす(DOS)
ここではDOSコマンド(正確にはWindows10のコマンドプロンプト用のコマンドです)について、
ざっとご紹介したいと思います。マニュアルというわけではないのですべてを記述するわけではありませんが実用上、
『これくらいは知っておきたいかな?』と思われるものをご紹介したいと思います。
コマンドのご紹介をする前に、憶えていただきたい言葉があります。
『カレントドライブ』と『カレントディレクトリ』です。
カレントドライブ・カレントディレクトリとは、 コマンドプロンプトで作業対象となっているドライブとディレクトリのことです。 例えばコマンドプロンプトで DIR と入力しますと現在の(カレントドライブの)カレントディレクトリの内容を表示します。 ちなみに DIR . としても同じ結果が表示されます。 . はカレントディレクトリを表す文字です。 ちなみにちなみに .. と記述しますと親ディレクトリ(カレントディレクトリのひとつ上の階層のディレクトリ)になります。 これらのことを理解できていないとコマンドプロンプトが『さっぱり分からない...』ということになってしまうかもしれませんので憶えてくださいね。
よく使いそうなコマンドからご紹介いたします。
- [ドライブ名]:
-
カレントドライブを変更します。
例)C:
カレントドライブをCドライブに変更します。
- CD(chdir) - チェンジディレクトリ
-
カレントディレクトリを変更します。
- CD [パス]
-
[パス]で指定したディレクトリにカレントディレクトリを移動します。
相対パス、絶対パスのどちらでも指定可能です。
例)CD windows
- DIR - ディレクトリ
-
ディレクトリの内容(中身)を表示します。
- DIR [パス]
-
[パス]で指定したディレクトリの内容(中身)を表示します。
[パス]を省略しますとカレントディレクトリの中身を表示します。
例)DIR c:\windows
- HELP - ヘルプ
-
コマンドの使い方などを表示します。
例)HELP DIR
単に HELP と入力しますとコマンド一覧を表示します。
- COPY - コピー
-
ファイルをコピーします。
ワイルドカード(*)が使えます。- COPY [コピー元] [コピー先]
-
例1)COPY ABC.C DEF.C
ABC.CというファイルをDEF.Cというファイル名のファイルにコピーします。
例2)COPY *.* c:\abcd
カレントディレクトリのすべてのファイルを Cドライブのabcdディレクトリにコピーします。
例3)COPY ABC.* ..
ABCというファイル名を持つすべての拡張子のファイルを親ディレクトリにコピーします。
- MOVE - ムーブ
-
ファイルを移動します。コピーと異なり、元のファイル名を持つファイルは無くなります。
ワイルドカード(*)が使えます。- MOVE [移動元] [移動先]
-
例1)MOVE ABC.C DEF.C
ABC.CというファイルをDEF.Cというファイル名のファイルに移動します。
例2)MOVE *.* c:\abcd
カレントディレクトリのすべてのファイルを Cドライブのabcdディレクトリに移動します。
例3)MOVE ABC.* ..
ABCというファイル名を持つすべての拡張子のファイルを親ディレクトリに移動します。
- REN(rename) - リネーム
-
ファイル名を変更します。
ワイルドカード(*)が使えます。- REN [変更前ファイル名] [変更後ファイル名]
-
例1)REN ABC.C DEF.C
ABC.CというファイルをDEF.Cというファイル名のファイルに変更します。
例2)REN *.c *.cpp
.cという拡張子名を持つすべてのファイルを.cppという拡張子名に変更します。
- DEL - デリート
-
ファイルを削除します。
ワイルドカード(*)が使えます。- DEL [削除ファイル]
-
例1)DEL ABC.C
ABC.Cというファイルを削除します。
例2)DEL *.*
カレントディレクトリのすべてのファイルを削除します。
例3)DEL ABC.*
ABCというファイル名を持つすべての拡張子のファイルを削除します。
- MD(mkdir) - メイクディレクトリ
-
新規ディレクトリをカレントディレクトリに作成します。
例)MD abcd
abcdというディレクトリをカレントディレクトリに作成します。
- RD(rmdir) - リムーブディレクトリ
-
ディレクトリを削除します。
- RD [パス]
-
指定の[パス]のディレクトリを削除します。
オプションスイッチを合わせて指定することにより[パス]以下のファイル・ディレクトリすべてを削除することもできます。
例)RD abcd
カレントディレクトリにあるabcdディレクトリを削除します。
- CLS - クリアスクリーン
-
画面を消去(クリア)します。
- TYPE - タイプ
-
ファイルの内容を表示します。
- MORE - モア
-
出力を1画面分ずつ表示します。
このコマンドはよく TYPE コマンドなどと併用して使われます。
例)TYPE abc.c | MORE
ファイルabc.cの内容を1画面分ずつ表示します。
- FIND - ファインド
-
指定の文字列を指定のファイル内から検索します。
ワイルドカード(*)が使えます。
例)FIND "string" abc.c
stringという文字列をabc.cというファイル内から検索し、見つかったらその行を表示します。
オプションにより他の動作も指定可能です。
- FC - ファイルコンペア(かな?)
-
2つのファイルを比較します。
例)FC /B abc.c def.c
ファイルabc.cとdef.cの内容をバイナリで比較します。
- WHERE - ウェアー
-
ファイルがどこのパスにあるかを検索します。
検索する場所はカレントディレクトリとパス(環境変数 Path)が通っているフォルダです。 そのためコマンドなどの実行ファイルがどこにあるかを検索するのに用いることができます。
例)WHERE fc.exe
FCコマンドがどこのディレクトリにあるかを検索します。
- PROMPT - プロンプト
-
プロンプトを変更します。
プロンプトとはコマンドラインの入力待ち状態にあるとき、 "C:\>"などと表示されているもののことです。
例)PROMPT $p$g
デフォルトのプロンプトにします。
- TREE - ツリー
-
ディレクトリ構造を表示します。
- EXIT - イグジット
-
cmd.exeを終了します。
以上、よく使いそうなコマンドでした。
ここに挙げたもの以外にもまだまだたくさんのコマンドがあります。
特にネットワーク関連のPINGやIPCONFIGコマンドは知っているとネットワーク関連でトラブった時などに役立つかもしれません。